平成12年5月26日、富山国際会議場多目的会議室にて、大連開発区企業誘致代表団(団長:大連経済技術開発区管理委員会副主任 周 海斐 氏)をお迎えして「大連開発区投資環境セミナー」を開催いたしましたので、その概要を以下のとおりご紹介いたします。

 私は大連市人民政府大連開発区管理委員会及び大連人民を代表し、富山県庁及び富山県民に心から御挨拶申し上げます。
 ご承知のとおり遼寧省と富山県との友好県省を締結し、大連・富山直行便が就航したことで、我々の間には経済貿易、科学技術、文化教育および体育などの各方面における交流はより一層の強化を得ました。
 特に大連市と大連経済技術開発区は、富山県との経済交流をここ近年来より一層の進展を見せております。特に富山県の有力企業であるYKK株式会社、サンエツ精工株式会社などの企業は大連経済技術開発区に進出し工場建設をしております。そしてその生産規模も益々拡大されております。これら企業の大連での投資の成功は、富山県内企業の大連進出への決心に役立つものであろうと確信しております。

1.発展を続ける経済・活発な外資進出
  1999年大連開発区のGDPは140億元に達しております。工業総生産高は285億元、固定資産投資は17.4億元、社会消費財小売総額は14億元、輸出総額は16億ドル、財政収入は14億元。外資導入の面においても開発区で昨年は113件の企業を誘致しております。その契約総額は6億ドルに達しております。今日までに大連開発区に進出している外資系企業は1,300社あまり、総投資額は契約ベースで68億ドル、実行ベースで30億ドル。そのうち日系企業は340社、総投資額は32億ドル。開発区に進出した国の中で日本は1番大きいウェートを占めております。
 大連市、大連開発区に既に進出している企業は当初の計画よりうまく発展されています。そしてかなりの利益を出しています。これにより再投資の決断に至っています。

2.優れた立地・交通環境
 大連開発区は大連市の北東部にあり大連の中心部から25km、大連国際空港まで18kmの距離にあります。開発区の周りには石油埠頭、石炭埠頭、食糧埠頭、漁業埠頭、化学埠頭、コンテナバースの6種類の埠頭があります。
 大連〜瀋陽の高速道路のインターチェンジまで大変近いところに位置しています。国内外への交通アクセスは非常に便利になっています。特に海、空の交通網は日本との間はとても緊密にあります。日本との国際航空路線は現在6本あります。
 大連開発区は海に囲まれた半島にあり、非常に美しい自然があり、快適な気候に恵まれています。大連の気候は、北京と比較して夏は涼しく、冬は暖かい、海洋性の特長をもった大陸性気候であります。
 大連開発区は中国の他の都市より衣食住などの生活環境は非常に快適になっております。中国の一流の大学もあり、またホテル、病院、有名な国際ゴルフ場などの生活施設が整備されています。
 
3.恵まれた地理的条件
 大連開発区は環渤海経済圏及び中国東北経済圏の非常に重要な位置にあります。大連は港、工業、貿易、観光によって中国の中でも有名になりました。大連市は資源豊な東北3省、内モンゴルを後背地として、華北地区、山東地区に臨んでいます。大連は中国の東北地区の中で最も大きな港があります。

4.豊富で高資質の労働力
 大連市、大連開発区には大学が20校あり、毎年1万人の大学卒業生、9万人の中高等学校卒業生がいます。安いコスト、高品質の労働市場は入居企業に力強いサポートになっております。
 特に大連は日本語を第1外国語として普及率は高く、中国の中でも日本語のできる人材が一番多い都市であります。3年前の数字ではありますが、上海で日本語ができる人材は1万人前後、大連では5万人でした。

5.整備されたインフラ
 大連開発区は、中国政府から一番早く開発区として批准を受けました。84年設立以来、大連市政府、大連開発区はインフラ整備に力を入れてきました。現在までの固定資産投資額は400億元に達しております。20万kVAの電力供給能力をもち、30万トン/日の上水道供給能力、16万トン/日の汚水処理能力があります。1千トン/hのスチームと温水の供給による集中暖房が普及しています。天然ガスの供給センターでは10万縺^日の天然ガスが供給されています。大連市と大連開発区は世界でも一流の通信設備が導入され、インターネット、電話などは先進国と遜色ないものとなっています。
 今年は大連市から大連開発区経由の金石灘リゾート地区までの軽便鉄道の建設が計画されています。この軽便鉄道により大連市と大連開発区との交通が一層改善され、大連開発区の今後の発展にとって重大な意義があります。
 大連市と大連開発区は、都市の美化、緑化について非常に重視しています。中国でもモデル都市として中国の国家指導者から非常に高い評価を受けています。
 大連開発区管理委員会は99年中国政府からISO14000の環境管理システムについて認定を受けました。開発区としては、はじめて国家資格を得ました。
 今後、北陸企業(特に、墓石を扱う業者)は、生き残り戦略としてオリジナリティのある商品の開発が求められよう。このことは、中国側に数多く存在する石材加工業にとって、これまでの“つくれば売れる”時代から“選別を受ける時代”を迎えることになり、日中企業ともに試練の年を経験することになるであろう。

6.更なる優遇政策
 大連開発区は、他の開放地区同様、国家の様々な投資政策を受けられるほかに、独自の優遇政策があります。大連開発区はしっかりとした財政収入に支えられ、投資案内にもございます政策以外にも、例えば土地の分譲価格や税収についても進出しようとしている企業と大連開発区管理委員会とが相談して決めることができます。
 中国に進出するための優遇政策・条件、これも重要なことですが、大連開発区管理委員会は進出後企業が順調に経営するためのフォローアップのサービスも充実させております。大連開発区管理委員会は入居企業に対してのスローガンがあります。それは、企業誘致を行い、その企業が軌道に乗るよう協力し、最終的にはその企業が利益をあげられるよう支援するということです。

7.改善が進む「ソフト」投資環境
 大連市の薄煕来市長はじめ大連開発区管理委員会は入居企業の意見に耳を傾けることを重視しております。大連市政府は毎年1、2回入居企業と懇談会を開き、企業から意見を聞き、大連市と大連開発区の投資環境を改善しております。
 大連開発区管理委員会は入居企業の利益を守るため、健全な生産秩序を守るため今まで2つの方針をとってきました。1つはみだりに行政費用を徴収すること(乱収費)を取りやめています。この乱収費を防ぐため行政費用の徴収については許可制度をとっています。もう1つには、政府役人の企業の経営、生産への干渉やたかりを防ぐため、役人の企業訪問する際には申請制度をとっています。
 大連開発区管理委員会は、入居企業の投資手続きを簡素化するためにワンストップサービスを設けています。また税関、検験検疫局や工商管理局など関係機関との連絡・協調を行ってきました。これは入居企業に対しよりよいソフト投資環境を提供するためだからです。

8.熱烈歓迎を受ける日本の中小企業
 大連開発区の産業状況から、投資奨励産業を定めております。マイクロ電子産業、新素材産業、バイオテクノロジー産業、IT産業、海洋開発事業、ケミカル産業、環境保全産業、食品加工産業、物流・商業、貿易、観光、医薬工業、機械加工工業などについて奨励されております。特にハイテク産業、高付加価値産業、輸出型産業についてはより一層優遇されております。
 一部の企業は大連に対し2つの誤解があると聞いています。1つには大連は後背地が狭いという誤解です。確かに上海や揚子江流域の都市に比べ大連は商品経済の発展が遅かった。しかし大連の後背地として東北3省や華北地区の4億人の人口を抱えております。実際に大連に進出している東芝電機や三洋電機の製品は大連市内だけでなく中国国内で販売されています。また大手企業の進出は歓迎し、中小企業の進出は歓迎しないという誤解は間違っています。今現在、大連に進出している企業の9割は中小企業です。大連開発区管理委員会は大企業の進出を歓迎するばかりではなく、中小企業からの進出も心から歓迎いたします。
 友人の皆様、来場の皆様、富山県庁の皆様、今回の代表団の訪問に対して大変行き届いた按排に対し改めて感謝申し上げます。
 中国には「百聞は一見に如かず」という言葉があります。皆様は是非大連開発区に視察に来てください。また、「朋有り遠方より来る、亦楽しからずや」という言葉がありますが、大連市政府、大連開発区管理委員会はまさにこの様な気持ちで皆様の来訪をお待ちしております。謝謝!
 
 

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